家入レオ「WE」

lostwatch

2018年10月15日 19:37




この投稿を書くために、がんばって「WE」を聞き続けた。

わたくしは、もはや彼女が歌っていたらなんでもいいという、もはや音楽のヴァルハラというべき境地に逝ってしまってますので、なんであれ「よい」のですが、これを消化するには時間がかかった。


基本は溺愛なのでどんな音だろうと、家入レオなら慣れれば絶対に大丈夫ということで聞き倒しました。

というか、ここまで聞いても消化しきれているのか、自信がない。











この前の東古屋湖キャンプの往復7時間ぐらいの車内で、例によってずっと家入レオさんのアルバム漬けになっていたのですが、やはり「WE」ばかり聞いているとつらくて、2ndの「a boy」に逃げたり、1stの「LEO」聞いたりしてた。





「WE」から「LEO」に切り替えた時の音に宿る確信の度合いがまるで違うのに、ほんと驚愕した。




いや、「Hello To The World」とか、イントロの爆発力を過ぎた後のAメロの繊細さに感動したり、ちゃんと好きです。

個々の局面ではいろいろといいものがあるのはわかる。








「僕たちの未来」も、いつものようにこの曲オリジナルの声で歌っていて、どこまでも駆け上がるボーカルが「よい」。


「君がくれた夏」は、Shine、a boyに次ぐ録音の良さがあり、情感あふれる歌詞も歌もアレンジも全て「よい」


「恍惚」は、武道館ライブを見てしまったあとではおとなしいスタジオ音源でしかないが、曲もよくぞこういう成り立ちを繊細にまとめたという技巧感があり、歌はさらにその世界観を増幅させる見事なボーカリゼーションで、ほんと流石としかいいようがない。



アルバムの構成も、「a boy」を継承するような2部構成の見事な仕立て。
序盤から「Party Girl」までの盛り上がりを表題曲「WE」でがっちり受け止め、「hello to the world」でリスタートし、再度音が動き出す。














だが、そこから墜落して痛みが隠し切れなくなってくる、終盤にもつれ込む。


にじみ出る焦燥、疲労、躁、テンションの高い荒廃感が通奏低音として流れているように感じて、聞いているのが正直つらくなる。
聞き重ねるほどに、こちらにもその行き詰まりが乗り移ってくるようで、つらい。

























どこまでも変わり続けること、福岡で身に着けた音から脱皮し新しい音に挑戦していくこと、現状に満足せずその先へ突き進むという、強い意志。


このアルバムの発売が2016年7月だから齢22歳。


大学卒で就職したならまだ研修生バッチをつけているような状況。


それがすでにデビュー5年で、4枚のフルアルバム。














一旦の成功も、おそらく挫折も、山手線通勤ラッシュ並みの過密スケジュールのなかでこなしてきたのだろう。


わたくしから眺めて、このアルバムは蓄積された疲労が皮膚の表面にカラカラになって浮いて出ているようで、聞いていて痛い。































実質的な最終曲「Every Single Day」

この曲を作っているときは、言いたいことなんてなにもない!という追い詰められた状況だったそうで、

「それそのまま書いてみたら」

と後押しされて書いた曲とのこと。











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